デザイン制作に使うパソコンはどうする?Macノートパソコン解説編

デザイン制作に使うパソコンはどうする?Macノートパソコン解説編

Macのノートパソコンを買う前提

パソコン? タブレットか? スマホか?

どのような種類のデジタル機器をデザインに使うのか?という点は別のブログにもまとめています。

制作に使うPCはどうする?そもそも編 https://www.designschoolguide.jp/2019/11/15/how-to-buy-pc/

デザインをするにあたり使用するデジタル機器は主にパソコン、タブレット、スマホになります。その特徴を活かしながら適材適所で使用することが重要です。スマホは写真や動画を撮影するために使います。タブレットは手描きのイラストに適しています。パソコンは総合的にデザイン制作するために使用します。皆さんはスマホはすでに持っているでしょう。これから購入することを検討しているのはタブレットかパソコンだと思いますが、手描きのみのデザインに限定する人以外は、まずパソコンを購入しましょう。2019年現在、まだタブレットはデザイン制作には力不足なところがあるので、優先するのはパソコンになります。

ノートパソコンか? デスクトップか?

両方持っているのが一番良いのですが、デザインの学校に通う学生さんにとってはノートパソコンを使うのが現実でしょう。デザイン関係の学校にはパソコンルームがあることが多いのですが、デザインにおいてパソコンが必須であること、学生全員分のパソコンをパソコンルームに置くことが不可能(たいていは1クラスとして20~50台程度)なことから、学生個人がパソコンを持つことを推奨または必須としている学校が多くなっています。学校でも自宅でも使用する1台と考えるとノートパソコンになると思います。

Mac? Windows? 周りに合わせよう

デザインで使用するためのパソコンのOSは、MacとWindowsのどちらかが多くなります。これはどちらでも構いません。ひと昔前(20年前ぐらい)までは、主にフォントの環境の条件からデザインといえばMacといった状況でしたが、現在はWindowsでも良いフォントが使えるようになっているので気にする必要はありません(パソコン黎明期からデザインに関する思い入れがある会社の製品は、伝統的にデザインについて強い面もあるでしょうが、ややこしくなるので割愛します)。

どのOSのパソコンが良いかは、ずばり周りの人に合わせましょう。そもそもデザインをこれから学ぶ人にとって、どのようなパソコンが良いのか分からないかと思いますし、使い方も分からないでしょう。ちょっと不明なことがあったときに身近にいる人に聞いて教えてもらえる環境は重要です。ネットでいろいろ情報がある時代ですが、不具合や不明点があったときには、パソコン本体や画面がその場で見えるとその状況が一目瞭然であることが多く、適切なアドバイスがもらえる可能性が高くなります。

先日家族からパソコンがうまく動かないと電話で相談がありましたが、どれだけ電話で聞いても状況が分からなくて解決できませんでした。年賀状を出すタイミングで急いでいたこともあり、結局車で30分の距離でもノートパソコンを持ってきてもらいました。そしてその画面をみたら1秒で解決しました。

OSだけでなくPhotoshopなどのソフトウェアも、ちょっとした疑問点や分からないことをその場で聞けると圧倒的に上達が早くなります。その周囲の人が上級者であれば積極的にアドバイスをもらえますし、その人も初心者であれば二人で調べたりアドバイスしあうことによって、2倍以上の速さで上達することができます。

周囲の人とOSを合わせるという意味でも、家族などからパソコンを譲ってもらうことは合理的です。特に高校生、大学生になったばかりのころは、両親や兄弟がパソコンを新調するタイミングでお願いしてみましょう。無理して新品を購入する必要はありません。

MacBookPro

どのMacノートパソコンにする?

前提が随分長くなりましたが、以下はMacのノートパソコンを購入する場合になります。

Macのメリットとデメリット

Macを購入すると決めている段階でメリットやデメリットを論じても仕方がないかもしれませんが、改めて確認してみましょう。

  • メリット
    • 何を買っても大きな間違いがない。
    • 機種の方向性がはっきりしていて選びやすい
    • 色のきれいに表現できて、文字や画像も細かなところまで表示できる
    • スピーカーが良い、音の入出力環境が安定している
    • USB-Cの充電口により、充電環境が柔軟
    • ネットワーク環境やソフトウェアの動作環境が安定している
    • 優秀なソフトウェアが標準搭載
    • タッチパッドが使いやすい
  • デメリット
    • 機種が限定されていて選択しが少ない
    • 機種によってはコストパフォーマンスが(人によっては)悪い
    • 超軽量、超小型、とても大きな画面など特徴的な機種がない
    • 接続できる周辺機器がUSB-Cのポートに限定されている

機種選定するときに気をつけること

画面の大きさ

Macのノートパソコンは16インチと13インチの2種類の画面サイズがあります。これは作業できる机の大きさに相当しますので、広ければ広いほど使いやすくなります。デザイン制作で使うソフトウェアでは、制作しているエリアの広さも必要で、その周辺に線の種類や色を調整するための操作部を表示するエリアも必要になります。効率よく制作を進めようとすると、その操作部は制作のメインエリアより広くなるぐらいです。

もっと広い画面が欲しいときには、モニターを別につけて2画面で使うこともできます。最近の新しいMacとiPadを組み合わせると、iPadをMacの第二画面のように使えます(これは少し前の機種では対応していないので、譲ってもらったMacではできないかもしれません)。自宅に大型の据え置き型のモニターがあれば、外ではノートパソコンとして、自宅では2画面または大画面モニターのみを使うなど、より広い画面を効率良く使えるようになります。

重さ

Macのノートパソコンは、ノートパソコンとして標準的な重さになっています。軽いMacBookAirで1.25kg、重いMacBookPro16インチで2.0kgになっています。特別軽くないですが、バッテリーやCPU、スピーカーなどを考えると2019年の技術として妥当な重さと思います。Windowsのノートパソコンではもっと軽量な製品や、画面が広く高性能だけれど重いノートパソコンなど選択肢は多くなります。

また、注意点としてはノートパソコン本体の重さだけでなく、ACアダプターの重さや大きさも考えておく必要があります。薄い本体に比べて厚みがあるのでカバンに入れる時に苦労しますし、意外と重いので周辺で使ってる人に見せてもらいましょう(お店では展示台の下に隠されていることが多い)。USB-Cで充電できるため、最近では純正以外の軽量なACアダプターやモバイルバッテリーを使うこともできます(製品によって仕様の差が大きいので、本当に安全に使えるかどうかしっかり確認が必要です)。

家族や友人がMacのノートパソコンをもっていたら、一式借りて自分のカバンに入れてみましょう。結構な重さとスペースになりますので、これを持って毎日学校に行けるか?と確認しましょう。手提げで重いと感じるならば、リュックにすることも考えてみてください。特に1台しかパソコンを持てない場合は、自分に適したパソコンをはじめに決め、それに応じてカバンを工夫する方がよいと思います。

メモリ(制作のための作業ができる広さ)

PhotoshopやIllustratorなどアドビのソフトウェアに関しては多くの製品で、「8 GB 以上の RAM(16 GB 以上を推奨) 」となっています。Adobeの製品だけでなく、他のデザイン関係で使用するソフトウェアも同様の条件となっていることが多くみられます。今後の流れを考えて必要なRAMはどんどん増えていくように思います。特にビデオや3Dを扱う場合には、16GBでも足りない場面が出てくるようになります。

MacのノートパソコンはMacBookAirとMacBookPro 13インチではRAM 8GBが標準仕様ですので、可能ならば16GBにカスタムして購入しましょう。カスタムして購入するには、AppleのオンラインストアまたはApple直営の店舗(Apple 名古屋栄など)で購入するのが良いでしょう。このどちらかであれば学割で少し安く購入できます。

ストレージ(制作したものを保存しておくところ)

デザイン関係で制作したものは大きくなりがちです。一般的な文書作成や表計算アプリを使って制作するファイルに比べて、写真を撮ったりイラストを描いたりしたときのファイルはとても大きくなります。写真はたくさん撮りたいでしょうし、ビデオを撮影することも多くなるでしょう。制作過程では、複数のバリエーションを作ってみたり、制作途中の段階のものを取っておきたいこともあります。ただでさえ大きなファイルをいくつも保存しておかなければなりません。さらに制作のためのPhotoshopなどのアプリケーションそのものも大きくなっています。

Macのノートでは128GB、256GB、512GB、1TB(1024GB)、それ以上などの選択肢がありますが、最低でも256GBを選びましょう。256GBでも終わった課題のファイルを外付けのハードディスクなどに保管して、ノートパソコン本体からはすぐに削除しながら使うことになると思います。

USBメモリや外付けハードディスク

ノートパソコン本体ではありませんが、パソコンを買うときにセットだと思ってください。学校の課題ファイルや同級生とのファイルのやり取りにはUSBメモリを使います。基本はやり取りのための一時的なものなので、容量はそんなに大きくなくても構いません。2019年段階では8GB~32GBあたりで購入したら良いでしょう。

外付けハードディスクはバックアップのために使います。MacにはTime Machineという大変良くできたバックアップシステムがあります。これは自動でバックアップをとってくれて、しかも1週間前、1か月前など、戻りたい時まで指定できます。外付けハードディスクを付けてTime Machineを設定したら、1週間に1回程度つないでバックアップを取りましょう(ただし、ビデオファイルなど特定分野でとても大きなファイルは管理した方が良いかもしれません)。

何度もあったことなのですが、課題の提出前、それも卒業制作のような大事なときに限ってパソコンは壊れます。使っている人の緊張感やストレスがパソコンにも伝わってしまうのでしょうか。アプリケーションなどは最悪のケースでも購入し直せばよいのですが、あなたが制作したオリジナルのイラストやデザイン図が消えてしまったら、お金をどんなに払っても戻ってきません。バックアップ環境もパソコン購入の一部だと考えましょう。

その他

Windowsですとこの「その他」段落にもあれこれ書きたいところですが、 Macですとあまり書くことがありません。選択肢は少ないけれども、どれを買っても大きな間違いはありません。

キーボードに関して、Appleオンラインストや直営店では、日本語キーボードだけでなく、英語キーボードやその他の言語のキーボードが選べます。ただ、あなたの母語が日本語で、日本語を書く機会が多いならば素直に日本語キーボードを選びましょう。日本語と英語の切り替えの操作にスペースキー両脇の「英数」「かな」キーを使えるからです。英語キーボードですと、コマンドキーとスペースキーを同時に押すなどで切り替えできますが、これからパソコンを使う人にとっては日本語キーボードの方が適しています。

購入方法

購入時期

昔から?言われていることですが、欲しいとき、必要になったときが買い時です。もちろん買えるお金があること(自分でバイトする、両親に買ってもらうなど)が前提ですが、「今はおしゃれな服を買ってパソコンは3年生になったときでいいか」と言っている間に、同級生はどんどんパソコンを使って創作していきます。今作りたいものがあって、それがパソコンを使ってより良くできるのであれば、今すぐ買って今すぐ制作に取り掛かりましょう。待っていても技術は向上しないし、 何よりもあなたの創造性や熱意は時が経つほど低下していきます。

上の段では、今すぐ!と書きましたが、そうは言ってもMacをお得に買う時期はあります。

年始の初売り(例年は1月2日限定)

毎年行われるとは限りませんが、特定のMacを購入するとAppleのギフト券(Appleのストアで使用可能)がもらえます。割引ではないので、製品そのものは通常価格です(学割はあります)。

入学キャンペーン(例年は2月から3月ごろ)

入学シーズンに合わせて、特定のMacを購入するとヘッドホンを安く買えるクーポンがもらえたりします。これも毎年内容が変わるので、その時期に購入する人はキャンペーンを調べてみましょう。こちらも割引ではなく、製品そのものは通常価格(学割あり)です。

モデルチェンジの時期(数年ごとに不定期)

Macは数年ごとにモデルチェンジしますが、そのタイミングで量販店などで在庫を処分するために、安く販売していることがあります。ただし、上でも書きましたがメモリを16GBにカスタムした方が良いことや、性能の見極め(機種によっては数年前の性能のままだったり)が必要となるため、おすすめしません。どうしても気になるときはMacに詳しい人に相談してみてください。

購入場所

メモリのカスタムができること、学割で購入できることからAppleから直接購入する方法が良いでしょう。

Appleオンラインストア 

学生・教職員向けストア https://www.apple.com/jp_edu_1460/shop(購入時に学生証など証明書が必要になります)

Apple直営店

Apple Store 一覧  https://www.apple.com/jp/retail/storelist/

店舗が少なく大都市圏に偏っているので、近くの人しか利用しづらいかもしれません。店員さんに相談しながらカスタムすると、店舗に準備していない構成ですと再度受け取りに行く必要があります(その場で郵送とすることもできるかも)。忘れずに学生証など証明書を持っていきましょう。

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