（シラバスとは講義の概要・計画書のことです。）
進学しようとしている大学について、友達や先輩に話を聞いたり、実際のキャンパスへ行ってみたり、卒業制作展を見に行ったりといろいろな方法で調べているかと思います。
最も気軽に調べられるのはホームページを見ることですよね。その中でも進みたい学部について重点的に見て、学科の考え方の紹介だったり、授業の様子の写真などから、進学してからの学生生活を想像することはとっても楽しい時間です。各学校の紹介ページは受験生のために工夫して作られているだけあって、ビジュアルで分かりやすくなっているので、いろいろ見てみると良いでしょう。
学校紹介とは少し違っていて、受験生向けのところで紹介されていることが少なく地味だけど、よく見ると実際に学校に進学してからの授業のことがよく分かるものがシラバスです。
「シラバス」と聞いたことがないような難しそうな言葉になっていますが、簡単にいうと講義の概要・計画書のことです。
受験生向けの学部紹介ページと違って、シラバスはその学校の学生のために、どのような講義なのか内容を知り、自分の所属する学科・コースでは必須なのか、単位はいくつなのか等を調べて、受ける講義を決めることに使います。
それぞれの講義ごとに、講義名称、開講期間や日時、必須区分、単位数、主な対象者（学部学年等）、担当教員など基本的な情報が載っています。それだけでなく、授業の目的や身に着けてほしい内容、1回ごとの授業計画（概要）や授業時間外の課題の有無、必要となる参考書、成績評価の方法と基準など細かく記載されていて、これを見るだけでどのような授業になりそうか想像することが出来ます。
想像できますと書きましたが、これは私が一度大学や専門学校の授業を受けたことがあり、教えたことがあるからであって、高校生が大学の講義を想像することは難しいと思います。やはり受験生向けの学校・学部の紹介ページが最も参考になりますので、それらのページをしっかり見たうえで補足的にみると良いでしょう。細かく書いてあるので、「え、こんなことまで勉強するの？」とか「この分野のことを深く学べそう」など、より具体的に学校の講義のイメージが湧くと思います。
ただし、シラバスの内容は完全ではありません。講義、演習形式のものはシラバスである程度読み取れますが、教授や学生同士で話し合って進めるゼミ方式や、研究して論文をまとめる内容については、あまり参考にならないかもしれません。また、あくまで授業計画ですので、実際には学生の理解度であったり、演習であれば進み具合などによって授業内容を調整します。2020年度は新型コロナウイルス感染対策のため、ほとんどの大学が春から急遽オンライン授業に変更したため、計画通りに授業できていないことが多いでしょう。
以下では具体的にシラバスを調べる方法を紹介します。ここでは名古屋造形大学の空間作法領域（ライフデザインコース）を例にしていますが、多くの大学でも似てような方法で調べられます。複数の学校のシラバスを調べてみましたが、基本的には在校生向けということもあり、部外者からは分かりにくいことが多い印象です。調べる時にちょっとしたコツ、工夫が必要です。
1. 学校のホームページを開きます。
2. 学科・コースの授業予定や授業科目を探し出します。ここで学年ごとにどのような授業があるのか、専門の振り分けの有無やその時期なども把握しておきます。ただし、これらのページで書いてある内容は、受験生向けにかみ砕いて書いてあることがほとんどで、実際の講義科目名にはなっていない場合があります。というよりデザイン系の学部では紹介文と講義科目名はほとんど一致していません。
3. シラバスを調べるための準備をします。まずは正式な学科・コースごとの講義科目名を探します。サイト全体の検索ができる機能を使う必要があるかもしれません。それがなければ、教員名を調べます。教授、准教授はもちろん、非常勤講師も念のため確認しましょう。名古屋造形大学ではホームページ上で正式な講義科目名が見つけられず、教員名を確認しました。
4. 学校ホームページ内で「シラバス検索」のページを探します。たいていは探しにくいところにあるので、サイトマップで調べるか、サイト内検索を使いましょう。シラバスは学校単位でまとめていて、学校の全学部の授業数は大変多くなるためシラバスはデータベースで管理されていることが多く、その検索システムを通じて閲覧することになります。
講義科目名か教員名のどちらかで検索します（情報を多く入れすぎると、かえって見つからないことがあります）。講義科目名も教員名も分からないときは、キーワードでも検索できますが、思うように見つからなかったり、違う学部の講義が出てきたりするなど精度は高くありません。
5. シラバスが出てきました。これで講義内容を見ることができます。ひとつづつ見ていくしかないので、必要に応じてプリントアウトや保存などしておくと良いかもしれません。
